人が街を好きにさせる
一生忘れないであろう思い出があります。
昔台湾に行った時、台北に滞在していた私は台南も見てみたいなと思い、1日だけ台湾新幹線で台南まで向かいました。
台南は台北よりも観光の人が少ない感じがしますが、南国感もあって良き街です。
レトロな街並みで可愛い。
暗くなってきて、そろそろ台北のホテルに戻らないとと思い、新幹線の駅まで向かおうとチケットを持ってローカル線に乗っていました。
その時大学生と思われるお兄さんがチラチラとこちらを見ていたので、外国人だと思われてるのかなと思っていたのですが、少し経つとお兄さんが近寄ってきて、新幹線の駅と方向が違うとか止まらない電車に乗っているとかよくわかりませんが現地の言葉で教えてくれました。
終電な訳ではなかったのとそこまで焦る性格でもないので、そうなんですね ありがとうございますくらいの返答をしていたのですが、私が新幹線に乗るつもりなのが伝わったのか、次の駅に到着した瞬間お兄さんが駅のホームをダッシュして駅員さんを連れてきてくれました。
大人のホームダッシュにまずびっくりしたのですが、駅員さんに事情を説明してくれたようで、駅員さんからは目的の駅とは違うけど別の新幹線の駅に着くから、差分を払えばいいしこのままこの電車に乗っていても大丈夫だよと英語で教えてもらいました。
そして何故かその後、新幹線の駅までお兄さんと駅員さんと一緒に電車に乗って移動するという……。なにこれ優しさがすごい。迷子保護的な。
新幹線の駅まで到着すると、駅員さんに改札出て新幹線の改札に行って持っている新幹線チケットの差分を払ってねと伝えられ、そこでさよならしました。駅員さんありがとう…。
お兄さんもおそらく降りる駅通り過ぎちゃっただろうにありがとうね…。
と思ってたのですが、お兄さんはさらに新幹線の改札まで連れて行ってくれ、新幹線側の駅員さんに事情を説明し差分の支払いまで教えてくれました。
私がいた位置的にも新幹線の駅までかなり時間がかかるのに、付き合ってくれて更に事情説明までしてくれて…。
台湾の人たちのあまりの親切さに感動してしまいました。もはや泣きそう。
新幹線の時間はどうでもよかったのですが、むしろみなさんの優しさに焦ってしまい、オロオロしながら拙い英語で日本帰ったらお礼したいし名前と住所教えてと言いました。
今思うと完全に不審者。なぜ住所と名前聞いたし…。
メールアドレスとかあるのに、どんだけ焦ってんだと今は冷静になって思います。
結局日本に帰ってから、日本のお菓子とかお茶とかカップラーメンとかいろいろ送りました。
台湾はもともと好きだったけど、この事がきっかけで本当に本当に好きな街になりました。
このお兄さんや駅員さんだけでなく、一緒に観光場所を巡って写真撮ったりしたタクシーの運転手さんや、かき氷屋さんの日本語話せるおばちゃんとか、みんな言葉わかんなくても優しくしてくれました。
おばちゃんはめっちゃ日本語だったけど。
ちなみにこのタクシーの運転手さんとは仲良くなって、LINEたまにしてます。
日本に地震があった時とか、大慌てで連絡してきてくれるいいおじちゃんです。
自分が困ってた時に助けてもらった事って絶対忘れないです。
それ以来、日本で困ってそうな海外の人を見かけると声をかけるようにしています。
私も言葉わかんないけど、でもこっちに行けばいいよとか、店員さんに聞いた方がいいよくらいは案内できますし、何よりその人にとって日本を好きな街にしてほしいなって思っています。
という真面目な話なんですけど。
あたしもね、柄にもなくやっぱり外国から来た人を助けねばと思いまして。
先日、品川で歩いてたらタイ人の女の子グループが、終電で成田空港行きたいって言ってきまして。
どうやら帰国の予定の様子。なぜ終電まで粘った。
浅草線?京急線?乗れば、乗り換えなしで成田空港行けるんじゃなかったっけって思いながら、人数分チケット買ってあげた瞬間、成田空港行きの終電が出てしまい
大慌てで駅員さんにお金戻してもらって、そこから全員連れて、難しいかもしれないけどと乗り換えを教えながら山手線に移動したものの
乗ろうと思ってた終電が目の前で閉まりそうになったので、「うわああああー!!!」って叫びながら無理やりあたしが足挟んで開けてもらって、「全員乗って!!!急いで!!!」って言って無理やり送ることに成功しました。
もう、全然スマートでなく、なんなら普通に電車マナー的にアウトなんだけど、この子達を送り届けることができて良かったです。
不安そうだったけど。
あたしの勢いがすごくて引いてたのかもしれないけど。
みんなが日本を優しい国だと思ってくれるといいなぁ。
日本の電車は足挟んでこうやって乗るものだと思われないことを願って、今日はお布団に入ります。